従業員10名以上で義務化!「衛生推進者」の選任、正しくできていますか?

労働安全衛生法では、支店や店舗などの事業場単位で、常時使用する労働者が10人以上になると、安全衛生推進者や衛生推進者といった、職場の安全衛生に関する担当者を選任する義務が発生します。
「常時使用する労働者」とは、正社員だけでなく、パートタイマーや日雇労働者等の臨時的労働者も含めて「常態として使用する労働者」をいいます。また、派遣労働者は派遣先・派遣元の双方で人数カウントしますので、臨時的労働者や派遣労働者も含めると、気づいたら10人以上になっているケースもあるかもしれません。
今回は、多くの企業が見落としがちで、労基署の調査でも指摘されやすい安全衛生推進者・衛生推進者の選任義務についてお伝えします。
選任の手続き
安全衛生推進者(衛生推進者)は、事業場の常時使用する労働者が10人以上になったら14日以内に、その事業場に専属の者の中から選任し、氏名を作業場の見やすい箇所に掲示する等の方法で関係労働者に周知する必要があります。
選任した時点で所轄労働基準監督署への届出義務はありませんが、選任していないと、労基署調査の際に是正勧告を受けることになりますので、注意が必要です。

選任できる人の条件
安全衛生推進者(衛生推進者)は、都道府県労働局長の登録を受けた者が行う講習を修了した者や、必要な能力を有すると認められる者の中から選任することになっています。
「必要な能力を有すると認められる者」の具体的な基準は以下のとおりです。
②高校等を卒業し、3年以上の安全衛生の実務に従事した経験を有する者。
③5年以上の安全衛生の実務に従事した経験を有する者。
④③と同等以上の能力を有すると認められる者。
50人以上になったら
全ての事業場で産業医と、安全衛生推進者を選任する業種では、安全管理者と衛生管理者を、それ以外の業種では衛生管理者を選任する義務が発生し、こちらは所轄労働基準監督署への届出義務があります。
なお、産業医に関する労基署への届出について、これまでは選任した場合に報告義務がありましたが、法改正により、令和8年8月1日以降は辞任、解任又は退任の場合にも報告が必要になります。
それ以外の詳細については、本記事では説明を割愛させていただきます。
終わりに
安全衛生推進者(衛生推進者)は、従業員の中から誰でも選任できるわけではなく、指定講習もスケジュールが限られていますので、常時使用する労働者が10人以上になりそうになったら、選任できる条件を満たす人がいるかどうかを確認し、早めに準備する必要があります。
・職場のあんぜんサイト(厚生労働省)
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/yougo/yougo31_1.html
・安全衛生推進者(衛生推進者)について教えて下さい。(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_09980.html
・令和8年8月1日から、産業医の辞任等に関する報告が義務化されます。(厚生労働省)
https://jsite.mhlw.go.jp/tottori-roudoukyoku/newpage_02797.html
※本記事の記載内容は、2026年6月現在の法令・情報等に基づいています。

