2026年度を目前に!同一労働同一賃金の「定着」と「見直し」

年の瀬を迎え、来たる2026年度に向けて様々な準備を進めていることと存じます。
この時期は、業務の整理と同時に、労務管理体制の点検を行う絶好の機会です。
今回は、施行から数年が経過した「同一労働同一賃金」について、単なる法令遵守で終わらせず、企業競争力強化へとつなげるための「定着度チェック」と「見直しのポイント」を解説いたします。
施行後の「格差是正」実務は大丈夫ですか?
「パートタイム・有期雇用労働法」に基づく同一労働同一賃金(不合理な待遇差の禁止)は、すでに全ての企業に適用されています。しかし、実際に運用する中で、以下のようなリスクや課題に直面していないでしょうか?
・待遇差に関する説明義務の運用が形骸化している。
・基本給や賞与は是正したが、各種手当(特に役職手当や通勤手当)に不合理な差が残っている。
・是正措置を行ったものの、非正規社員のモチベーションや定着率が向上していない。
2026年度に向けた「定着度チェック」3つの重要ポイント
同一労働同一賃金は、訴訟リスクの回避だけでなく、「非正規社員の戦力化」という攻めの経営戦略と一体であるべきです。
今一度、以下の3点について点検・見直しを行いましょう。
「同一の労働」の再定義
チェックポイント: 業務内容、責任の程度、配置転換の範囲など、何を根拠に「同一」「類似」と判断しているかを、現場の実態に合わせて再確認してください。特に、正社員との間に残る配置転換や昇進機会の差が、待遇差の根拠として合理的に説明できるか、見直しが必要です。
手当・福利厚生の「不合理性」徹底排除
チェックポイント: 賃金規程を見直し、「全ての待遇」に不合理な差がないかを確認します。
例: 慶弔休暇や食堂利用など、社員区分に関わらず全従業員に共通して認めるべき福利厚生に差を設けていないか?職務内容と関係のない「精勤手当」などが、非正規社員に不支給となっていないか?
留意点: 最高裁判例でも、一つ一つの手当について、その支給目的に基づいた合理的な説明が求められています。
説明プロセスの改善とフィードバックの活用
チェックポイント: 待遇差について説明を求められた際の対応マニュアルが、最新の法解釈に基づいているか確認しましょう。
また、説明を受けた非正規社員からのフィードバックを収集し、本当に納得感が得られているかを測ることで、隠れた不合理な待遇差を発見する手がかりになります。
働きがい改革への第一歩
同一労働同一賃金への対応は、単なるコストの増加ではなく、多様な人材がその能力を最大限に発揮できる環境を整備し、企業の「働きがい」を高めるための投資です。
貴社の賃金規程や各種手当の診断、および待遇差に関する説明義務の履行サポートを通じて、企業競争力強化を支援いたします。
2026年度を万全の体制で迎えるため、ぜひこの機会に社会労務士法人かぜよみへご相談ください。
※本記事の記載内容は、2025年12月現在の法令・情報等に基づいています。

